けぶる緑の奥に隠した、私の愛する永遠の少年。(短編)
夏休み。退屈な午後。
宿題は、なるべく午前中に進めるようにしている。
午後になると、暑くて集中できなくなるから。
学校といっても、人口のとても少ない場所に住んでいるから。
同年代の友達といっても、限られてくるし。
特に目立った娯楽もない。
とても、退屈していた。
双子の妹は家に籠るタイプの子だったし。
だから、ふと、行ってみたくなったの。
けぶる緑の森の奥にある、深い沼のほとりに。
以前、父と森の散策に出た時、とてもきれいだったの。
覚えてる。
特に意味があったわけじゃなかった。
単なる暇つぶし。
ヒマでヒマで、しかたなかった、から。
 
だけど、その単なる暇つぶしの選択が、私に甘く残酷な出会いをもたらすことになるなんて、思いもしなかったんだ…
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