けぶる緑の奥に隠した、私の愛する永遠の少年。(短編)
12歳の誕生日。
マリ姉は美しい鏡が欲しいと言った。
全身を映せる姿見が、この家には無かったから。
「鏡が欲しいの。美しい鏡。努力して自分を磨きたいのよ。一流の女になりたい。小さな鏡でも、大きな鏡でも。すべて欲しいわ。美しい鏡なら。」
マリ姉はきっと、シンデレラになりたかったんだと思う。
マキはそれを、少し悲しい瞳で見てた。
マリ姉が、遠くに行ってしまう気がしたから。
マリ姉は美しい鏡が欲しいと言った。
全身を映せる姿見が、この家には無かったから。
「鏡が欲しいの。美しい鏡。努力して自分を磨きたいのよ。一流の女になりたい。小さな鏡でも、大きな鏡でも。すべて欲しいわ。美しい鏡なら。」
マリ姉はきっと、シンデレラになりたかったんだと思う。
マキはそれを、少し悲しい瞳で見てた。
マリ姉が、遠くに行ってしまう気がしたから。