3人の王子様♪



「伶太先パイ...?」


ようやくあたしに気がついたようで、先パイはこっちを見た。


「あっ、あの、これ届けに来たんですっ...。」


つい、しどろもどろになってしまう。


「そう。そこ置いといて。」


「あっ、はい。」


いつもとまったく違う。


こんなの、伶太先パイじゃないよ。


「心愛ちゃん。」


「えっ、あっ、はい。」


"心愛ちゃん"なんて初めて呼ばれた。


だっていつも"月谷さん"って呼んでるから。


「ちょっとおいで?」


いつもとは、全然違うトーン。


その甘い声に分からなくなる。


言われるがままに、先パイの方に行った。


「きゃっ!」


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