MyPiece ~私を構成するもの~


「俺が持つっていつも言ってるだろ」

刃は私の腕からカゴを取り上げてそう言った


だが私はこんな重さ、なんでもない
Marioで訓練された身にこんな3kgにも満たないものなんて、無いのと同じだ


刃もそれは分かっているはずだが、私には持たせまいとするその優しさに思わず笑みがこぼれた

「ありがとう」
私が刃の目を見上げてお礼を言うと


「あぁ…。(クッソ…その顔で上目遣いは反則だろっ////)」
と言ってそっぽを向いてしまった


最後に忘れていた本つゆをカゴに入れてからレジに並んだ

夕飯時でだいぶ長い列になっていた


あと数人…となった所で、私達はふと誰かの視線を感じた


目でその視線の元を探すと、レジを抜けた所に私達と同じ制服を着た黒髪の男が立ってこちらを見ているのが分かった

なんだ……?


不審に思ったがそいつは私達が気が付いたのが分かるとその身を翻して食品売り場を出て行ったーーーー






< 39 / 47 >

この作品をシェア

pagetop