MyPiece ~私を構成するもの~


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スッ…
朝だ……私は体を起こして部屋を見渡す

時計に目をやると7時30分

今日の体内時計も完璧だ

側に脱ぎ捨ててあった真っ赤なスリッパを履いてベッドから降り、キッチンへ向かう


食パン2枚をトースターで焼き、焦げ目がついたらバターを塗る
ベーコンと目玉焼きは一緒に焼いて皿に盛った
最後にちょうど湧いたお湯でコーヒーを作り、マグカップに注いで終わり

たった五分で出来た簡単なものだが、朝はこんなもんでいいだろう


出来た朝ご飯を冷めないうちに食べてもらう為、刃の部屋に起こしに行った

コンコンッ
「入るわよ…」

黒を基調とした大きなベッドの中央に刃はいた
寝息が聞こえない程、静かに寝ている

私が近づいても全く起きる気配は無い


「刃…朝よ」
「…………」


「刃…朝よ。学校に遅れるわ」
「……………ウゥンン…ふぁあー、
矢重…来て…」

私は未だ寝っ転がっている刃の枕元に近づくと


…グイッ

!!!


急に腕を掴まれたと思ったら、今は何故か刃の布団の中にいる

「何…?」

刃は無言のまま私のうなじに鼻をうずめた


例のアレだ



「………コーヒー、ベーコンエッグ、トースト」

「正解よ」
今日も健在だ

「おはよう、矢重。
起こしてくれてありがとな」

寝起きの声は普段よりも低く、妙に色っぽい


それに耳元で喋らないで欲しい
背筋がむず痒くなる

私は刃と向かい合わせになるように体を動かた

「おはよう」

と言うと刃はその血色の目を細めた

やはり刃にはこの色が似合っている




私達はそのまましばらく無言で見つめ合った
刃が何を考えているかはわからなかったが、私にはとても心地良い時間だった






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