高梨さんと北条くん
その日の放課後すぐに行われた図書委員会で、わたしと北条は初めてしゃべった。
「一年間よろしく。」
そう言って爽やかな笑顔で右手を出してきたので、わたしも右手を出して、握手をする。
「こちらこそ」
「高梨って全然表情かわんないのな」
彼にとってのわたしの第一印象だろう。
確かに私は表情が変わることはほとんどない。
対して妹は表情豊か、なんだけれど。
とりあえず表情のことから話を外そうと思って質問をした。
「北条は何か部活やってるの?」
「俺?俺は、料理部の部長だよ」