私の彼氏の取扱説明書
その1.不器用な彼の真意




「でねー、あそこのケーキがおいしくって!」


「今度伊織も行こうよ!」


「いいのっ?」



昼休み。

私、華原伊織(カハライオリ)、高校2年生。

大親友の真依(マイ)と優愛(ユア)と3人で、
教室で最近できたカフェの話に花を咲かせてたら。




「伊織ー」



聞きなれた声がして、ドアの方に目を向ける。



「なにー?」



そこには、彼氏の水沢佑樹が、焦ったような表情で立っていた。




「世界史の、資料集貸して」



「世界史ー?
…あーあった!」



はい、と手渡すと、



「さんきゅ」


と笑った。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop