私の彼氏の取扱説明書
「忘れたの?」
「ん。置いてたつもりがなかった。
じゃ、終わったら返しに来る」
片手を挙げ、自分の教室に戻る佑樹を見送り、
真依と優愛の元へと戻る。
「おーお帰りー」
「ただいまー」
「いいなー、私、あの『教科書忘れた、貸して』ってやつ、憧れなんだよねー」
戻るなり、そう言って頬を赤らめる優愛は
妄想癖激しくていつもそんな話ばかり。
『バカか』
そう笑って突っ込む真依は姉御肌でとても頼りになる。
でも3人でいると落ち着くから、
私はこの場所が大好きなんだ。