俺の保健室天使
「 憂樹くんさ、彼女作らないの?今遊んで恋しないともったいないよ?」
は? 恋ならとっくにしてんだけど。
しかも、あんたに。
「 別に… 作らないわけじゃないけど、モテないし 」
「 そんなバナナ!憂樹くんイケメンだよ?」
なにその死語… ダサ…
「 俺がイケメンねぇ… じゃあ英理チンが彼女になってよ、秘密で 」
へ?って顔して、かなり間抜け面。
可愛いよな~
黙ってしまった英理チンが、突然またおでこを叩いた。
「 って!」
な、なんだよ!なんで叩く!
「 先生をからかうんじゃございません 」
「 なんでそんな口調?…照れた?」
顔が赤くなったとたん、英理チンは俺から顔を背けて自分のデスクに座った。
あれ?マジ照れか?可愛いじゃん!
「 なぁ英理チン、俺からかってないよ?ガキだからからかうって決めんの反則だろ 」
「 はいはい。最近の子は 一丁前に言うよね。でも、憂樹くんイケメンだよ、可愛い彼女すぐ出来るよ 」
なんだよ それ… 俺は本気なのに、いつも英理チンには本気なのに…
「 おーい!憂樹いるかぁ?次、体育だぞ、行こうぜ 」
「 刈谷… わかった、行く… じゃあね、英理チン 」
はーい、と軽い返事を俺にして、俺は友達の刈谷と保健室を出た。
俺が保健室を出たあと、大きなため息ついて、机に突っ伏した英理チンが何を思ってたかは知らない。