冷徹ドクターに甘やかされてます



「こ、これはこれは…春田総合病院の春田先生…」



「よくご存知で。陸のこと嗅ぎ回ってた男っていうのもお前だな?何の用だよ」



「ご、誤解だ。彼女が自分からここで働くって言ったんだ…」



「でっでも風俗店なんて聞いてないっ…」



いつもとは全く違う本気で怒っている様子の先生は、胸ぐらを掴む手にぐっと力を込める。



「…おい陸、そもそも何でそんな話になってるんだ?」



「だって…お金がないと、灯の手術が出来ないんでしょ…?」



「手術…?」



「一千万円あれば、灯の体は少しでも良くなるんでしょ…!?」



「……」





言っちゃっ、た

春田先生は私のためを思って、黙ってくれていたことなのに

それを問い詰めるような真似をして

その優しさを、苦しめる



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