冷徹ドクターに甘やかされてます
「……」
言葉なく腕を引く手
(…助けに、きてくれた…)
先生
先生、
春田先生…
込み上げる安心感に足からは力が抜け、繁華街の道の端で私は思い切りその場に転んだ。
「うぉっ!おい、大丈夫か?」
「……」
「?陸?」
その場に座り込んだままの私に、春田先生は少し驚きながらしゃがみ立ち上がらせようと手を取る
「…灯…」
「?」
「灯は、大丈夫なの…?」
「…当たり前だろ。つーか俺よりあいつを信じるってどういうことだよ」
「だって、春田先生は優しいから…本当のことなんて言えないのかなって…」
「…バカ」
優しく呟いてはぎゅっと握るその大きな手に、自分の手はしっかりと包まれる