冷徹ドクターに甘やかされてます

彼女の、気持ち





『それだけは覚えていてね』





「私は、春田先生のことが好きだって言ったじゃんかー！先生のばかー！！」



子供のようにうわーん！と泣き出す陸に、思わずオロオロとしそうな気持ちを必死に落ち着ける。



「……」





本当、バカだ

小さな嫉妬

それひとつに、この前の彼女の言葉すら忘れて

無神経なことを言った



どんな時も想いを伝えるのは、勇気がいること分かっているのに

彼女の勇気を踏みにじって





「…あーもう、泣くなよ」



「だって先生がぁ〜…」



「悪かったよ、ごめんって」



「子供扱いして宥めないでー！」



「どうされたいんだお前は…」



伸ばした手で涙を拭ってやるものの一向に泣き止む気配のない陸に、どうすればいいかますます戸惑ってしまう。