冷徹ドクターに甘やかされてます
「…意外」
「?」
「春田先生は平気で女の子泣かせる人だと思ってた」
「おい待て、どんなイメージだそれ」
「でも『女に泣かれるのが苦手』ってことは、私のことも女って思ってくれてるってこと?」
「……」
陸を女として、見ているか?
「…さぁな」
問いかける瞳に、頬から手を離しては歩き出す
(…んな、今更)
幼いとは思っても、女として以外見たことない
だからこそ
線引きをしては自制して
なのに
そんなことも知らずに、その顔はまた笑う
あの日から
その涙はその笑顔は、密かに心を支えている
ほらまたこうして
線が霞んで、見えなくなる