冷徹ドクターに甘やかされてます



(いうだけいって去って行くなんて…ひどい人!)



ていうか現実って!向こうを選ぶって!意地悪!

嘘でも励ましたりしてくれないんだから!



一人残ったその部屋でぶう、と口を尖らせては私は椅子の上で膝を抱え座る。



(久志くんの言うことも正論なんだけどさ…)

確かに家同士の話だと本人の意思がどこまで通るんだろう。意思関係なく結婚させられちゃったり…!?

ってまた嫌なこと考えてる!ダメダメ!



ーコンコン、

「?」



そうしていると突然響いたノックの音に顔を上げると、そこには開いたままのドアをノックするすらりとした姿…河上先生がいた。


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