冷徹ドクターに甘やかされてます
『しないよ。結婚なんて』
あの言葉は、嘘?
同情故の誤魔化し?
…ううん、そんなの信じない
「…嘘。春田先生は、そういう人じゃない」
「あら、聞き分けが悪いのね」
「私は確かに子供かもしれないけど…ちゃんと春田先生のこと見てますから。春田先生が優しいことも知ってるけど、嘘つかない人だってことも分かってます」
「……」
言い切った私に、彼女ははぁ…と呆れたように笑う。
「あなたの家、何かご商売は?」
「?特には…」
「あなたと結婚して、この病院や誠二さんに何かメリットはあるのかしら?」
「……」
「私の家は隣の市で病院をやっていてね、私と彼が上手くいけば病院同士も合併して今以上に経営も大きくなるって親同士も大喜び。次期院長として誠二さんの立場も一気によくなるわ」
「…、…」
病院の経営も絡んで
親同士も望んでいて
春田先生の立場も、変わる