冷徹ドクターに甘やかされてます
「…ごめんね、私もうバイト行かなきゃ」
「えー!」
「?陸ちゃん、もう行くの?」
「うん。灯、また後で来るね」
いつもならその姿におはようと声をかけるけれど、私は目すらも合わせることなく病室を出た。
「?陸ちゃん、どうしたんだろ…」
「…?」
春田先生のために、私がするべきこと
それは諦めること
(…大丈夫)
こうして少しずつ距離を置いて心を少しずつ離して、そうするうちにきっと気持ちは薄れていく。
繰り返せば、いつしか彼も私のことを気に留めなくなる
そしていつか、諦められる
(…いつかって、いつだろ)
それまできっとこの心は、果てしなく苦しみ続けるのだろうけれど