冷徹ドクターに甘やかされてます



「それぐらい好きな相手を諦めようと思うのがどれくらいつらいことか、あんたみたいな大人にはわからないかもしれない」





思い出すのは





『っ…』





去り際の、泣きそうな顔





「だからこそ、その気がないならわからないまましっかり断れ。少しでも気持ちがあるなら…伝えてやればいい」





わかってる

こいつも、俺の気持ちを分かっていて

複雑な思いで背中を押そうとしていること



あの彼女の表情が

どれほどの悲しさを抱えているか、



わかってる、

なら、俺がするべきことは



ーバタバタバタッ…ガラッ



「春田先生!!」



「!?、灯!?」



そうしていると部屋へ勢いよく駆け込んできたのは、日頃激しく体を動かすことを禁止しているはずの灯。

必死に息を切らせる灯に、俺は驚きながらも駆け寄る



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