冷徹ドクターに甘やかされてます



「高熱と咳からの風邪。おまけに少し栄養も足りてないから免疫力不足。点滴は俺からのおごりだ」



「…なんで…」



「お前、灯の病室で倒れたんだよ。それで灯が俺の所まで走って呼びにきた」



「灯が…」



でも確か、灯は体に負担がかかるから走ったりしちゃいけないはず…

そうハッとしては、私はガバッと勢いよく起き上がる。



「先生!灯は!?」



「うおっ!バカ、飛び起きるな」



「だって走ったりしたら灯の体はっ…」



「それが、大丈夫だったんだよ」



「え…?」



「火事場の馬鹿力とでもいうのかねぇ…あの後灯も診たけどいつも通り。ただ危険だから次はしないように叱ったけど」



「いつも、通り…」



安心するように呟いた私に春田先生はわかったら落ち着け、と私の体をゆっくり寝かせ直す。

そしてこちらを見つめては、そっと顔へ触れる手


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