冷徹ドクターに甘やかされてます
「自分の院長としての未来とかどうとかより、今お前が笑ってる方が嬉しいってこと」
そっと頬を撫でては、瞳の中を覗き込む
「それとも、ここの医者じゃない俺には用はない?」
「そんなことない!春田先生は春田先生だもん!」
「なら、安心して側にいろよ」
「……」
「俺の隣で、笑っていてくれ」
自分の安定した未来より
私といることを選んでくれる
私の笑顔を望んでくれる
その言葉ひとつが
何よりも、嬉しくて
より涙は溢れ出す
「せん、せ…」
「…泣きすぎ」
「だって…」
「……」
その涙をそっと指先で拭うその表情は、今までで一番優しく柔らかな眼差し
愛しい、そう伝えるかのような笑顔