冷徹ドクターに甘やかされてます
『はいっ、完成!これで髪もすっきりするでしょ!』
『…せめてもう少しマシなヘアゴムはないのか?』
『うん。これしか持ってないもん』
『男の髪につけるヘアゴムじゃないだろ…』
『いらなかったら捨てていいよ。ただし、どのヘアゴム使ってもちゃんと髪は結ってね』
『……』
『そっちの方が、絶対かっこいいもん』
「…まぁ、河上先生にはきちんと話しておくから。心配するな」
「…はぁい」
春田先生は何かを思い出し懐かしむように目を細めては、壊れたヘアゴムをぎゅっと手のひらに握り締めた。