冷徹ドクターに甘やかされてます

「河上先生、大事なお話があります」



「…？どうしたんですか？」



「すみませんけど、婚約の話はお断りします」



「…え…？」



躊躇いなく言い放った言葉に、その顔つきは一気に不穏なものへと変わる。



「どういうこと…？」



「そもそも家の為に結婚なんてしたくないですし、他に好きな人がいます」



「…自分が何を言ってるかわかってるんですか？結婚の話がなくなれば合併の話もなくなる…そうすればそちらの親子関係にも影響されるんじゃないですか？」



「そうかもしれませんね。まぁその時はその時でどうにかします」



「可哀想な子一人のために、有望な将来を潰すなんて…勿体無い」



「……」