冷徹ドクターに甘やかされてます



「俺は例えここをクビになっても、地方で医者をやることになっても、もし医者を辞めることになっても…好きな人と暮らしていければ充分ですよ」





それだけで

どんなこともやってやろうって、思えるんだ





「…、」



「そういうわけなんで。じゃ、研修お疲れサマでした」



返す言葉なく唇を噛む彼女を置き去りに、俺はスタスタと部屋を後にした。



ーピシャ、

「……」



「…、」



すると、ドアのすぐ横の壁には寄りかかるようにして立っていた陸の姿。



< 260 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop