冷徹ドクターに甘やかされてます
「俺は例えここをクビになっても、地方で医者をやることになっても、もし医者を辞めることになっても…好きな人と暮らしていければ充分ですよ」
それだけで
どんなこともやってやろうって、思えるんだ
「…、」
「そういうわけなんで。じゃ、研修お疲れサマでした」
返す言葉なく唇を噛む彼女を置き去りに、俺はスタスタと部屋を後にした。
ーピシャ、
「……」
「…、」
すると、ドアのすぐ横の壁には寄りかかるようにして立っていた陸の姿。