冷徹ドクターに甘やかされてます
「改めまして、院長の春田です。いつも、息子が世話になっているようで」
「あっ、いえっこちらこそ春田先生にはお世話になってばかりで…あっ!申し遅れました!及川陸と申します!小児科に入院しています及川灯の…」
「まぁまぁ、落ち着きたまえ」
慌ててぺこぺこと頭を下げる私に、その一言は頭を上げさせる。
「陸さん、か…先程の話は、聞いていたかい?」
「は、はい…」
「君のおかげで、うちの息子は今やこうして立派な医師となれたそうだ。院長としても親としても、君には感謝しなければならないね」
「えっ!?あ、いえ…そんな、大したことは何も…」
「……」
「それに…感謝しなきゃいけないのは、私の方です」
「…?」
春田先生が、私への気持ちを伝えてくれたように
私も彼への気持ちを伝えよう