冷徹ドクターに甘やかされてます



(は、春田先生のお父さんとは思えないくらい自由な人なんだなぁ…)



それにも驚いてしまうけれど

それ以上に驚いたのは、




「…春田先生も、覚えてたんだ」



「?」



「あの日の、こと」





互いの感情は違えど、彼が同じ日の思い出を抱いてくれていたこと





「あー、まぁな。…お前の泣き顔があまりにもひどくて」



「えぇ!?」



「嘘だよ」



「…またそうやってからかう」



不満げに唇を尖らせると、彼のは風に揺れた私の髪をそっと指に絡ませては遊ぶ。



「…、…」



その優しい眼差しが、何よりも愛おしい



「…私、春田先生とならどこまででも一緒に行くから」



「…あぁ」



「灯も連れて、どんなところでも行く。何があっても、何を言われても大丈夫」





あなたといれば、平気だから





「だから、一生そばにいさせてね」



「……」



笑う私に、春田先生は少し驚いては小さく笑う



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