冷徹ドクターに甘やかされてます
「おはよー、灯!」
「あっ、陸ちゃん。おはよ…けほけほっ」
ある日の朝、いつものようにやってきた病室では灯の小さな咳が響く。
「大丈夫?風邪?」
「うん、大丈夫…最近少し流行ってるみたいで」
「日によって暖かかったり冷えたりするからね。念の為、今日は一日ベッドの上ね」
「はーい…」
けほけほ、と軽い咳ひとつすらも心配でたまらない。けれど心配をかけまいと笑ってみせる灯に、笑顔を返しては持ってきたお花をテーブルに置いた。
「お前は今日も元気でいいな」
「あっ、春田先生!」
すると頭上から降ってきた声に顔を上げると、そこには今日も白衣姿の春田先生。
その顔は今日も少し眠そうだ。