冷徹ドクターに甘やかされてます
「二人とも、どうしたの?」
「りくちゃん元気になった?」
「おれが本なげたから…ごめんなさい」
「おれも…ごめんなさい」
「……」
どうやら二人はわざわざ様子を見にここまで来てくれたらしく、頭を下げる健太くんと拓也くんに私はソファから立ち上がっては二人の頭をよしよしと撫でる。
「大丈夫だよ。怒ってないし、もう痛くもないから」
「ほんと?」
「うん!よーしっ、じゃあ向こうで皆で本読もうか。私が読んであげる!」
「うんっ」
「こらこら陸ちゃん?安静にしてろ、って春田に言われたばっかりじゃなかった?」
「それより子供たち優先!」
「また春田に怒られるよー?」
「大丈夫ーっ」
言いながらも無理に止めることはせず笑う崎山先生に、私は二人と手をつなぎ灯たちのいる部屋へ向かい歩き出した。
大切な、存在
先程の春田先生の言葉と
こうしてつなぐ小さな手
それらがとても嬉しくて
自分のいる意味を教えてくれる
春田先生に出来ること
私自身に出来ること
それは、さまざま