冷徹ドクターに甘やかされてます



「そこで今日及川さんたち姉弟の話を聞きまして、生まれつき心臓の弱い灯くんをお姉さんが支えていると…なんて立派なお姉さんだろうと」



「いえ、そんな…」



「だからこそ、僕はあなたに事実を隠さず言うべきだと思ったんです」



「…?」



事実、…?

その言葉に首を傾げる私に、向けられるのは真剣な眼差し。



「実はですね…灯くんの病状は、今現在悪化してるんです」



「…!?」



灯の病気が、悪化してる…!?



「体の成長に心臓がついていけていないんです。正直…またいつひどい発作が起きてもおかしくない」



「でも…そんな話、春田先生から聞いてないっ…」



「言えずにいるんです。…彼は優しい人ですから」



「そんな…」


< 93 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop