冷徹ドクターに甘やかされてます
「そこで今日及川さんたち姉弟の話を聞きまして、生まれつき心臓の弱い灯くんをお姉さんが支えていると…なんて立派なお姉さんだろうと」
「いえ、そんな…」
「だからこそ、僕はあなたに事実を隠さず言うべきだと思ったんです」
「…?」
事実、…?
その言葉に首を傾げる私に、向けられるのは真剣な眼差し。
「実はですね…灯くんの病状は、今現在悪化してるんです」
「…!?」
灯の病気が、悪化してる…!?
「体の成長に心臓がついていけていないんです。正直…またいつひどい発作が起きてもおかしくない」
「でも…そんな話、春田先生から聞いてないっ…」
「言えずにいるんです。…彼は優しい人ですから」
「そんな…」