冷徹ドクターに甘やかされてます
「それに少しでも病状を良くする為には手術が必要で…それには一千万ほどの費用がかかるんです」
「…!!」
(一千、万…)
灯の病状の悪化、莫大な手術費用
突然のそれらの言葉が重くのしかかる
「…、…」
「春田先生はあなたたち姉弟を特別可愛がっています。…だからこそ、あなたにそんな事実言えるはずがない」
「……」
「けど僕は、それは優しさなんかじゃないと思う。…常に灯くんを大切にする君にだから、事実を伝えるべきだと思った」
「…はい、」
「正直言って、時間がない。彼が隠し、君が躊躇ううちにも灯くんの病状は更に悪化していく」
「…、…」
灯が、最悪の形に…
想像しただけで、背筋がゾッと凍るのを感じた。