駅で出会う君へ
(里乃 side)

「いーから乗れって!」

そう言って荷台を叩いた。
広瀬くん。

「いいよ、駅すぐそこだからっ
      歩いていくねっ!!」

歩き出した私の横にゎ
無言で自転車を押しながら
一緒に歩いて
くれている広瀬くん。

「気を使わないで?
  無理しないで乗って帰りなよ!」

「いーからっ!!!」

……。

しばらく歩いていくと
前に見覚えのある人が歩いていた。
ぁ…私あの後ろ姿
知ってる…。

ー私の好きな人ー。

広瀬くんがいるのを忘れ
走りながら名前を呼んだ。

「朔夜くーん!!」


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