今日のディナーは何にする?
 

「……だから……ずっと、ここに来てもいいですか?」

「……うん、もちろん!大歓迎です!」

「ありがとうございます……!」


客としか思われてなくても、“大歓迎”と言われるだけで、私は満足だ。

これからもシンさんのラーメンを食べることができて、笑顔を見ることができるんだから。

嬉しくなった私はシンさんに自然と笑顔を向けていた。



「……あまり長居しても悪いですし、そろそろ帰りますね。お会計お願いします」


カタン、と私は椅子から立ち上がり、バッグの中から財布を取り出す。

でも、シンさんはレジに向かおうとはせず、パッと両手を私に向けて広げた。


「……シンさん?」

「……10分。待っていていただけますか?」

「え?」

「送ります」

「えっ!?」

「もう遅いですし、僕も帰りますから」

「えっ、でっ、でも……!」

「じゃあ、待っててください!勝手に帰っちゃダメですよ!ここにいてください!」

「えっ、ちょ……!?」


シンさんは私が食べ終えた器をささっと持ち上げ、カウンターの向こうに消えてしまった。

私は財布を握り締めたまま、呆然としていた。

……待って。

何、この状況!?

 
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