今日のディナーは何にする?
 


「お待たせしましたー!」

「!!い、いえっ」


急に聞こえてきた声に、私はびくっと身体を跳ねさせた。

考えても考えても答えは出ないまま、あっという間に10分が経ってしまっていたらしい。

シンさんの方に目を向けて、さらに私はビックリした。


「!!」

「ん?俺の顔に何かついてます?」

「~~い、いえっ!」

「じゃあ、帰りましょうか」

「は、はい……」


目の前に現れたシンさんは、いつもとはまるで別人のようだった。

ここでの白い調理着に帽子をかぶったシンさんしか見たことがなかったけど、初めて見る私服姿はすごくおしゃれで。

黒の中綿の入ったダウンジャケットにジーンズに黒いブーツ。

そして、普段は帽子の中に隠れてしまっている髪の毛が額にかかっていて。

とてもさっきまでラーメンを作っていた人には見えない。

普段とは全く違う姿がすごく新鮮で……、かっ、カッコいいんですけど……!

見た目のギャップに、私はとにかく狼狽えることしかできない。

シンさんがこんなにもイケメンさんだったなんて……。

いや、見た目がどうだからって、シンさんを見る目が変わるわけじゃないんだけど……でも!

 
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