今日のディナーは何にする?
「…………そう」
「……は、はい……」
シンさんがポツリと呟き、ふと私から目を反らした。
「……。」
……も、もしかして……私、間違えた!?
誤魔化すのが正解だった!?
不安に襲われかけた時、シンさんがはぁ~と息をついた。
私の身体がビクッと跳ねる。
「……間違えてなくて、良かった」
「へ?」
「独り善がりのキスとか痛すぎるでしょ?」
「……独り、善がり?」
「……知ってた?俺も二宮さんのことが1年前からずっと好きだってこと」
「……。えっ!?」
シンさんが柔らかく笑う。
……シンさんが……私のことを、好き!?
嘘っ、嘘っ!!!
「ほ、ほんとに……っ」
「くくっ、本当だよ?……だからさ」
「へ?」
「もう一回、キスしよ?」
「えっ、……んっ」
シンさんは1年前と同じように、私の答えなんて聞かないまま、私の唇を奪う。
さっきとは違って、私の何もかもを奪い去っていくような深くて甘いキスに、私は一気に溺れていった。
「は……っ」
「……二宮さん」
「……っ」
立っているのもやっとな私の耳元で、シンさんが囁く。
「……好きだよ」
「っ!」
そのまま、シンさんは私を引き寄せてぎゅっと抱き締めてくれる。
私もそれに応えるように、シンさんを抱き締めた。
……シンさんの温かい胸の中で見えたのは、外でぼんやりと光る温かい赤い光だった。