愛するお方がサンタとなりました
「そんな会社なら辞めてやるよっ!――いいか、意味を率直に捉えろ。サンタなんだよ、俺。クリスマス、空飛ぶトナカイ従えて、ソリ乗ってガキ共にプレゼント配りをするサンタになったんだ」
「……。流石はあなた。役に成りきっているのねっ。ワタクシはぜひともソリ役がやりたいわっ」
「無機物希望!?いやいや、信じられねえのも無理ないが、つか、俺も未だに現実味ないが、今年のサンタに選ばれたんだよ」
「おかしいわね。サンタはお父さんのはずじゃないかしら」
「ああ、俺も中一でその事実を知ったつもりだったが、クリスマスには更なる真実があったんだよ。
サンタってのは実在する。だがこれは、髭生やしたおっさんではなく、一般市民。昔は一人のおっさんだったそうだが、ぎっくり腰やってから引退。以降、町単位だったり地区単位だったりでガキにプレゼント配る大人を決める制度が出来たらしい」