愛するお方がサンタとなりました
「あー、その。この格好には色々あってだな」
ぼりぼりとうなじを掻くあなた……あなた?あなた?
赤と白のクリスマスカラーで。帽子まで被っちゃって、白い大きな袋を担いだ、その、ええと、サンタさんスタイルの彼は。
「あ、あんまじろじろ見んな!恥ずかしいだろうが……!」
「ぶふっ」
ああ、鼻から貧血になっていく。あなたを見続けていたいのに、あら、天井が見えるわ。
「お、おいっ、なに倒れてんだよっ。だ、大丈夫か!」
「あ、あなたに殺されるなら、本望よ……」
「何の話だっ!」
「サンタコスもそうだけど、何よりいいのは、それ着て恥じらうあなた自身よね」
「だから何の話だあああぁ!」
ああ、瞼裏にもサンタなあなたが焼き付いているわ。