愛するお方がサンタとなりました


(二)


「もう、あなたったらあなたったらあなたったらーっ。ぎゅってして、抱きしめて、内臓潰れるほどぎゅううってしてー!」


「頼むから普通に会話しろ。あと、お前が潰しにかかんな!」


そう言われても、サンタコスのあなたを抱かずにして何をしろと言うのかしら。プレゼントはあなた自身と受け取るしか他ないと言うのに。


「網膜には焼き付けましたが、いつかのために写真を撮らせて頂きたいわぁ、百枚ぐらい」


「何に使うつもりだよっ。あ゛ー、もー、こんなもの脱いでやる!」


「あなたの雄々しい全裸なら千枚ねっ」


「おかげで脱げなくなったじゃねえか!」


白いボンボンがついた帽子をまた被るあなたが可愛らしい。コスプレの醍醐味って、脱がす時にあるのかしらねぇ。


「お前、また鼻血出てるぞ……」


「あなたがいけないのよ。ワタクシ、あなたの傍にいてから、健康診断で貧血気味って言われたのだから」


「レバーでも食ってろ」


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