365回の愛してるを君に
「ハル…っ!」
階段をかけあがってくるりょうくん。
「りょうくんっ」
はぁはぁと息を切らすりょうくんに
申し訳なくなる。
「紙…読んだ?」
「うんっ、わたしもりょうくんとお花見したい!」
私がそういった瞬間
りょうくんの切れ長の目が大きく見開かれる。
「ほんと…に!?よっしゃぁぁ」
子供みたいに喜ぶりょうくんをみて
私まで嬉しくなる。
「じゃあ明日の放課後なっ!」
りょうくんは嬉しそうに微笑んだ。
「うんっ、楽しみだね!」
りょうくんは大きく頷くと
一瞬どこか遠くを見つめた。
「りょうくん…?」
「…あ、ごめん…っ、ありがとな!」
走って去っていく
りょうくんの後ろ姿に
「どういたしまして」と
私は声をかけた。
思い返せばこの時も
君は私にヒントをくれてた…。