君と歩いていく道
願望
数日後。
あれから真崎はまたしばらくピアノから離れたが、今日は大月からの許可が下りた為、またあのアップライトピアノの前に座っていた。
やはり動かない手を前に、しばらくは紺野と大月もいたのだが、少しだけ一人にして欲しいと言って出てもらっている。
だが。
「ねーちゃん、ピアノ弾けるのか?」
「ねえねえ、カイジュウジャー弾いてよ!」
「えー!姫キュアがいいよー。」
気難しそうな二人がいなくなったのをいいことに、子供達は好奇心たっぷりに部屋に入ってきた、
真崎はあっという間に囲まれてしまい、早く弾いてくれとせがまれて困っている。
「ねえ、お姉ちゃん、弾いて?」
「う、ん。」
震える手はようやく鍵盤に触れ、久しぶりに出した音は〝ド〟の音だった。
触れた指先から震えは止まり、どうしようもなく次の音が出したくなって指を動かした。
「カイジュウジャーだ!」
最近めっきり見なくなったアニメだが、簡単な音だけをぎこちなく出せば子供は喜んだ。
(どう、しよう。)
涙が溢れる。
「ねーちゃん、どうしたんだ?」
「お姉ちゃん、大丈夫?」
子供達は口々に心配して、つられて泣き出す子供まで出た。
こんなにも心は鍵盤を触りたいのに、どうしても手が動かないのが悔しかった。
あれから真崎はまたしばらくピアノから離れたが、今日は大月からの許可が下りた為、またあのアップライトピアノの前に座っていた。
やはり動かない手を前に、しばらくは紺野と大月もいたのだが、少しだけ一人にして欲しいと言って出てもらっている。
だが。
「ねーちゃん、ピアノ弾けるのか?」
「ねえねえ、カイジュウジャー弾いてよ!」
「えー!姫キュアがいいよー。」
気難しそうな二人がいなくなったのをいいことに、子供達は好奇心たっぷりに部屋に入ってきた、
真崎はあっという間に囲まれてしまい、早く弾いてくれとせがまれて困っている。
「ねえ、お姉ちゃん、弾いて?」
「う、ん。」
震える手はようやく鍵盤に触れ、久しぶりに出した音は〝ド〟の音だった。
触れた指先から震えは止まり、どうしようもなく次の音が出したくなって指を動かした。
「カイジュウジャーだ!」
最近めっきり見なくなったアニメだが、簡単な音だけをぎこちなく出せば子供は喜んだ。
(どう、しよう。)
涙が溢れる。
「ねーちゃん、どうしたんだ?」
「お姉ちゃん、大丈夫?」
子供達は口々に心配して、つられて泣き出す子供まで出た。
こんなにも心は鍵盤を触りたいのに、どうしても手が動かないのが悔しかった。