君と歩いていく道
真崎は久しぶりに浴びたシャワーに喜びを感じていた。
左手首は濡れないようにされていたが、それでも今は十分だ。看護師が毎日体を拭いてはくれていても、やはりシャワーを浴びたかった。
明日は縫ったところの状態を見てからの退院となる。
抜糸はもう少し先になるが、状態が良ければ紹介状を書いてくれると言っていた。
紺野は今日は荷物を取りに家に帰っていて、明日の朝水瀬と一緒に迎えに来てくれるという。
まだ見ぬアメリカに思いを馳せながら、長いシャワーは終わった。
看護師と一緒に夜の廊下を歩き、病室のベッドに寝かされて布団をかけてもらう。
それから簡単な消毒と包帯の巻きなおしをしてもらってから、本当に独りになった。
久しぶりだと、ただそれだけ思った。
親が一回も来なかったことに何ら疑問は持たなかったし、それどころか来ない方が良いとさえ思ってしまう。
真崎にとって親とは、そんなに大事なものでもなかった。
鏑木がずっと親代りを務めてくれているし、これからもその方がいい。
目を閉じても眠れなさそうなのだが、消灯時間は近かったし、なによりさっきの看護師が電気を消していってしまったので何もできない。
テレビはこの部屋にはついていないし、ほとんど何も置かれていない。
自分が自殺未遂を起こしたのだから仕方がないと思っても、つまらなくて生あくびが出た。
左手首は濡れないようにされていたが、それでも今は十分だ。看護師が毎日体を拭いてはくれていても、やはりシャワーを浴びたかった。
明日は縫ったところの状態を見てからの退院となる。
抜糸はもう少し先になるが、状態が良ければ紹介状を書いてくれると言っていた。
紺野は今日は荷物を取りに家に帰っていて、明日の朝水瀬と一緒に迎えに来てくれるという。
まだ見ぬアメリカに思いを馳せながら、長いシャワーは終わった。
看護師と一緒に夜の廊下を歩き、病室のベッドに寝かされて布団をかけてもらう。
それから簡単な消毒と包帯の巻きなおしをしてもらってから、本当に独りになった。
久しぶりだと、ただそれだけ思った。
親が一回も来なかったことに何ら疑問は持たなかったし、それどころか来ない方が良いとさえ思ってしまう。
真崎にとって親とは、そんなに大事なものでもなかった。
鏑木がずっと親代りを務めてくれているし、これからもその方がいい。
目を閉じても眠れなさそうなのだが、消灯時間は近かったし、なによりさっきの看護師が電気を消していってしまったので何もできない。
テレビはこの部屋にはついていないし、ほとんど何も置かれていない。
自分が自殺未遂を起こしたのだから仕方がないと思っても、つまらなくて生あくびが出た。