君と歩いていく道
脂っこい物や味付けの濃いものは、あまり出てこない。

スポーツ選手である紺野を気遣ってもあるが、基本的に真崎は野菜が好きだし、脂っこいものは嫌いなので、どうしてもそうなるのだ。

それに対して紺野はありがたいとさえ思っていた。
どちらかといえば和食の方が多いし、汁物と野菜は毎日出るのでバランスも取れている。
水瀬に土下座してまで好きな味噌を取り寄せてもらったのは、同年代のテニス仲間からは伝説にされるほど。
紺野も驚くほどに、彼女は味噌汁にこだわっていた。
日本人向けのネットショップで購入するだしの素と味噌としょうゆは、最早欠かせない。

「あと、ドレッシングね。」

「分かった。」

会計を終えて帰路に着くころには、もう陽が沈みかかっていた。


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