君と歩いていく道
距離
時差もあって日は変わってしまったが、真崎は母親に連れられて料亭の一室に来ていた。
森野家の長男・音弥と会うためだ。
初対面ではなかったし、緊張はしていなかったが、気持ちだけはどうしても乗ってこない。
自分の母親と、森野の母親と、四人での会食。
今更見合いでの定番の質問をすることもないので、当の本人たちは黙って料理を食べている。母親達は話に花を咲かせていたのだが、二人の様子を見て散歩でもして来いと部屋から追い出した。
互いに言葉無く、見事な日本庭園を歩いている。
森野は色が白く中肉中背で、いかにも日本人らしい顔立ちをしており、日に焼けた長身の筋肉質な紺野とは何もかもが違う。
誰が見ても、この見合いに乗り気ではないことは一目両全だろう。
隠そうともしない二人の空気は、似通っていることは確かだ。
「真崎さん。」
先に口を開いたのは森野の方だった。
歩みは止めずに歩いているのだが、切れ長の目は鋭く真崎を射抜いている。
「何?」
「・・・いや。」
聞きたいことはあった。
真崎の恋人の話はマスコミが嗅ぎつけていたし、森野は実際に会ったこともある。
その時はイベントで二人が合わせようという事になっていたのだが、紺野が水瀬と見にきていたのだ。
森野家の長男・音弥と会うためだ。
初対面ではなかったし、緊張はしていなかったが、気持ちだけはどうしても乗ってこない。
自分の母親と、森野の母親と、四人での会食。
今更見合いでの定番の質問をすることもないので、当の本人たちは黙って料理を食べている。母親達は話に花を咲かせていたのだが、二人の様子を見て散歩でもして来いと部屋から追い出した。
互いに言葉無く、見事な日本庭園を歩いている。
森野は色が白く中肉中背で、いかにも日本人らしい顔立ちをしており、日に焼けた長身の筋肉質な紺野とは何もかもが違う。
誰が見ても、この見合いに乗り気ではないことは一目両全だろう。
隠そうともしない二人の空気は、似通っていることは確かだ。
「真崎さん。」
先に口を開いたのは森野の方だった。
歩みは止めずに歩いているのだが、切れ長の目は鋭く真崎を射抜いている。
「何?」
「・・・いや。」
聞きたいことはあった。
真崎の恋人の話はマスコミが嗅ぎつけていたし、森野は実際に会ったこともある。
その時はイベントで二人が合わせようという事になっていたのだが、紺野が水瀬と見にきていたのだ。