人魚姫と海の涙
だんだん意識が朦朧としてきながらも私は話すことを止めない。


バックアップに記憶を預ける、という意味のない行為。


それに意味を見出だしたかのように舌だけが良く回る。


「私の実家はコロニーの守り神で、かつ海守の家系だったの。


あんたも知っているんじゃない?


海堂一族の事。


知らないわけがないわよねぇ?


時廻の一族なんだし?」


少々意地の悪い質問をぶつけてみてもリアクションはない。


そこら辺の図太さは私に通ずるものがある。
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