俺の蕾ちゃん
ブサコ開花
ここは海辺の近くにある華賓学園。
冬になる季節の海はもの寂しく感じる。
吹き抜けていく潮風が恋人達を誘い、海というだけで二人の距離を縮めるんだ。
小さいガキんちょの頃から浜辺で遊んでたから もはや俺たちには庭だ。
俺は、伊佐木 脩 (しゅう)
何もない平和な毎日に、突然妙な奴が舞い込んできた。
クラスには必ずいる存在感のない奴。
そして、嫌な事があると無理難題を言われては拒否出来ないでいる奴。
あの子の名前はなんだっけ?
名前も思い出せないほど影の薄い奴なんだ。
「 祐未、あそこの女の名前なんだ?」
「 あ~ ブサコ。」
ブサコ?って名前じゃねぇし。
祐未はクラスの中で一番顔が可愛い、半面、性格が悪い。
そして、幼稚園からの縁である意味親友みたいものだ。
女の親友。もちろん、仲のいい親友もちゃんといる。
各務 臣 (じん)、コイツも幼稚園から一緒で、不思議な事に臣と祐未が付き合っている。
祐未はクラスからの信頼が厚く、可愛いってだけで周りがついてくるんだ。
男勝りなとこもある祐未を、臣は可愛いという。しかも顔は別にとも言う。
いったい何がいいのか俺にはサッパリわからない。
ある日どうでもいい事件が起きた。
図書室。
日直だった俺とブサコが先生に頼まれて、放課後 本の整理に来ていた。
なんで俺が日直の時に頼むんだよ!
めんどいっつうの!
しかも、ブサコ?喋らねぇし…
「 伊佐木くん、私やるから帰っていいよ… 」
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