俺の蕾ちゃん

「 ん、んんっ、んんっん!」

「 なに?」

玉置が俺の手に手を重ねた。
ドキッとして、俺は気づいた。
玉置は手を離してと俺に訴えていた。

「 ごめんっ」

「 は… ぁ。大丈夫、やっぱり3年の人達だったね。ここ、カップルがたまにね…


へぇ 知らなかった。
まぁ 静かだしイチャつくにはいいのかもな。けど、俺と玉置の事… カップルだと思ったろうな。

それにしても…

「 玉置、眼鏡貸して。」

「 え… あ、ちょっ… 」

スッと玉置の眼鏡を取ってみた。

「 伊佐木くん、眼鏡… 私ほんとに視力悪いから見えないのに… 」

お、っと、マジで… 何よコイツ、何がどうなってブサコなわけ?
祐未より数倍可愛いんだけど。
しかも、ホクロ… 参った。

玉置の左目涙袋に、小さなホクロがある。それがまた、俺を釘付けにした。

祐未はなんで玉置をブサコと言ったのか、きっと悔しかったからじゃないかと思った。

祐未より可愛いから、周りの目を玉置に取られたくなかったんだろう。

「 玉置、コンタクトにしないの?」

「 ん~ 今は眼鏡がいいの」

眼鏡を返すと、スチャッと眼鏡をかけてブサコに変身してしまった。

もったいない。


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