俺の蕾ちゃん

心配する玉置の髪をどかして耳にかけてやる。

顔見たい… 眼鏡が邪魔だな…

俺は玉置の眼鏡をそっと取ると、何かが落ちてきた。

「 泣いてんの?この高さでどうかならねぇよ。な?」

ポタポタと俺に玉置の涙が落ちてくる。

泣いている、玉置は誰よりも綺麗だ。

指で涙を拭うと、笑みを見せる玉置。

「 可愛いな、今の玉置を誰にも見せたくないな… 独り占めするよ いい?」

「 う… ん… 」

頷いた玉置。

あら、また泣き出した… しょうがないな~ 抱きしめてやるか。

「 よしよし。泣くなよ。」

ブサコが泣いて、眼鏡を取れば綺麗な花が咲いた。

涙が溢れる玉置は誰よりも綺麗で、俺だけの蕾。

誰にも見せたくないと思う俺はずるいのか…

「 玉置、眼鏡はもう取るなよ?取るのは俺といる時だけな… 」

倒れたままの体制をくるりと変えて、玉置の髪が広がる。

涙は雫、髪は花弁、そして真っ赤になる薔薇を見下ろしてそっとキスをした。

赤くなった薔薇がますます真っ赤になる。

こんな可愛いブサコは他にいない。

俺専用の薔薇だ。




******完******


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