SUMMER SCHOOL!!
「海輝くん、起きたんだね」
「ん、なんで杏樹がここにいんの?」
まだ寝起きだからか
いつもより、声は小さめ。
ふだん、俺様な海輝くんからは
想像できない、かわいさ。
胸がドキドキして止まらない…
「お見舞いに、きたの」
「んー……もう帰んの?」
「ううん、今濡れタオル
持ってこようと思って」
そこまで言うと、
海輝くんは、ベッドから体を起こした。
「わわっ、まだ寝てないと!」
慌てて、体を支えるため
海輝くんに近づく………と、
「わ、きゃっ」
いきなり、手を引かれ
抱きしめられた。
いつもより少し高い体温
ドキドキしてる胸。
体がぶわあっと熱くなる。
「そんなんいらないから、そばにいてよ」
耳もとで、そう囁く。
風邪を引いてるからか
かすれた、低い声が
あたしの鼓膜を震わせた。