私を見てくれていた人
「でもさ、」
「うん?」
「部活は入ってね?」
満面の笑みで彩矢が言う。
「なんでよ…」
私、元々めんどいの嫌いなんだよ…
「なんでってぇ。
そんなの決まってるじゃん!
放課後、一緒に帰りたいから」
は?
え?そんな理由ですか?彩矢さん
「何その理由。」
「え?ふつーに理由じゃん?」
どこがでしょう?
「どこが?
それ、わがままって言うんだよ?理由じゃな
くて」
「そうなんだ、
でもさいいじゃん!
野球部のマネでも他の部活でも良いし!」
そうゆう問題じゃないんだけどな…
でも、彩矢は言ったら聞かない時があるんだよね
今日が、多分そのとき
「でもさ、
私マネの経験ないし、お世話得意な訳じゃな
いじゃん?
他の部活は入りたくないし」
それでも食い下がる私
「えっ?
何言うてんの?」
「なにが?」
「菜乃架は面倒見良いじゃん?
私より全然マネに向いてるって!」
「そ…そうかな?」
「絶対そうだって!私が保証するし!
それにそれにっ」
「今度は何?」
「野球部は、人気ないっていうか…。
毎年マネが入ってこないって友達から聞いた
し、まぁ…その理由はバスケ部にマネが集ま
るからなんだけどね………」
彩矢は苦笑ぎみに言う
「そうなんだ。」
「うんうん。
やる気になった?野球部のマネージャー」
正直、あんまり乗り気ではないけど…
顧問の先生が良いって言ってくれるんならいいかな…
「そうだね。
やってみよっかな。マネ」
すると、彩矢が飛び跳ねて喜んでる
そんなに?笑
「よかったぁ。
愚痴とか恋バナとかこれからも聞いてもらい
たかったししたかったんだよね~」
目的はそれかよw
それから、私たちはまた他愛もない会話をしてそれぞれの家へと帰った。
─この決断が、私の中学校生活を大きく変えることになる