私を見てくれていた人
─部活─
次の日の放課後、私は一人職員室を訪れていた
とりあえず、野球部のマネの希望者がいるかどうかの確認とか…まぁ、いろいろと聞きに来たってわけ
─コンコン
「失礼します。
あの、野球部の顧問の先生っていらっしゃ
いますか?」
奥から
少し怖そうな男の人が出てきた
「野球部の顧問の斉藤です。」
あぁ!
この人が……
「俺になんか用ですか?
野球部は男子部員しか募集してませんけど」
「あ、違います。
部員じゃなくて…───
マネージャー希望なんですけど…」
すると斉藤先生は驚いた顔をして
すぐに真顔に戻った
この人、顔怖い…
「マネージャー希望?」
もう一度聞き返してくる斉藤先生
「…はい。」
「珍しい奴もいるもんだな~…」
そんなに人気ないんだ野球部のマネ
「めっ珍しいって…。
そんなに人気ないんですか?」
「あぁ、野球部のマネは結構きついぞ?
外で選手達のケアをしなきゃならんし、ユニ
フォームの洗濯や選手の手当、体調管理その
他もろもろ全部マネージャーの仕事。」
そっそんなに!?
「それでも、野球部のマネージャーやるか?」
斉藤先生の目は真剣そのものだった。
きっと、それだけ野球部のことを大切に思ってるんだろうな。
「マネージャー経験なくても大丈夫ですか?」
「あぁ、俺が仕込んでやるよ」
私はにっと笑って
「お願いします!」
と言った。