私を見てくれていた人
─キュッキュ
─スパッ
『ナイッシュー!』
そんな声が体育館から聞こえる
バスケ部も頑張ってますね~………
私は体育館の中を覗く
体育館の隅で多分、入部希望の人がずらーっと並んでいる。
…やっぱ女子も結構いるなぁ
みんな、マネージャー希望だよね…
なんてことを考えていると、
「おー、菜乃架じゃん。」
後ろから声がした
…振り返らなくても誰かなんて分かる。
やっぱこいつもバスケ部か。
「どーも。」
素っ気ない返事をする私。
…可愛くないな、
「お前もバスケ部のマネージャー希望?」
「いや、違う。
私は野球部のマネージャー希望だから。」
心臓がバクバクいってるのを悟られないようにわざと素っ気ないフリをする。
「そうなの?
へぇ、意外。」
「何が意外なのよ…、失礼な奴だな」
「だってさ、野球部のマネージャー希望って全
然いないんだろ?」
コイツでも知ってるほど人気ないんだ…
野球部、どんまい。
「らしいね。」