私を見てくれていた人


「じゃ、また明日ね。」


「うん。また明日」


彩矢より私の家の方が、少し学校から遠い。

だから、途中までしか一緒に帰れないんだ…



私は、家路を歩き出した。




─ガチャッ



「ただいま。」


家の中は、暗い。
そして静か。


私の両親は共働きで、仲もそんなによくない。


だから、私はこの家が嫌いだ 

私は一人っ子だから兄弟がいない


いつも静かなこの家で一人きり。



寂しい。なんて思わない

…もう、慣れてしまったから


寂しいなんて……思わないんだ、


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