私を見てくれていた人
私はいつもと同じように、近くのスーパーに夜ご飯を買いに行く。
お母さんは、危ないから火はあまり使わないでねって言うけど私はコンビニ飯が好きじゃないからいつもスーパーで買って自分で作っている
友達からはすごいね。
って言われるけど、別に普通だと思う。
確かに、すごいね。って言われるのは嬉しいけど…
私の料理はそんな大したもんじゃないから(笑)
弁当も夜ご飯も私が自分で作る。
もちろん、朝ご飯も。
両親は、私が起きたらもういない。
朝ご飯も家では食べていかない……
本当に、何の為の家なのか分からないくらい両親は家にはいないんだ。
そんなことを考えながら買い物をしてると、
後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、そこには…
広原がいた。
「よぉ!偶然だな~」
「そ、そうだね。」
私は少し驚きながら答える。
「お前、お使い?」
「あっ…、ううん。違うよ」
そう言うと、広原は不思議な顔をした。
「え、お前んち親いねぇの?」
「え、
いるよ?いるけど、家に帰ってこないだけ」
私はわざと明るく振る舞った。
両親の帰りが遅いのはもう、大分前からだし…
今更、そんな事で傷ついたりしない。
って、思ってたのになんでだろう…
胸が痛い。
まだ
『寂しい』なんて気持ち残ってたんだ…